長浜名超寺のモクレン
2019年03月27日
漱石はハクモクレンが好きだったようだ。『草枕』にモクレンのことを書いている。
長浜市と米原市を分ける横山丘陵の西の山裾に、名越町という小さな集落がある。町の中央を貫く通りを横山へ向かって歩くと、集落のはずれに鎌倉時代、後鳥羽上皇が行幸したと伝わる名超寺がある。
舗装された道が途切れるところに、古びた山門が建っている。その左手の奥に石段がある。20段ほどの石段を登ると、正面に本堂が現れ、軒下に「恵光山」と記された額が掛かっている。恵光山常喜院と号する天台宗のお寺である。
本堂は横山の緑に抱かれるように建ち、境内は森閑としている。そこに2本のハクモクレンの巨樹がある。本堂の屋根に届くほどの高さまで、花が伸び上がるように咲いている。
樹の下から空を見上げると、うねるように枝が絡まり合い、重なり合い、青い空に累々と白い花が広がっている。
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20:29
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マキノ白谷の夫婦椿
2019年03月19日

高島市マキノ町白谷に、樹齢が400年を超えるという2本のヤブツバキがある。車一台がようやく通れるほどの、集落内の道端に仲良く並んでおり、夫婦椿の名で親しまれている。
一般に椿といえば、ヤブツバキのことである。シイやカシ、タブなどと同様に照葉樹に属するから、暖かい平地によく見られる木である。ツバキの名は、厚葉木あるいは艶葉木から転訛したとされる。厚い葉、艶のある葉は照葉樹の特徴である。
生長すると樹高が20メートルに達するというが、数百年を経たような巨木は、寺社の境内でも滅多に見られない。
地元では、この木にちなんだ伝承として安寿と厨子王の物語が語られている。誰もが森鴎外の『山椒大夫』を絵本で読んだことがあるはずだ。親子と姉弟の絆の強さが心に刻まれた。
安寿と厨子王の父に仕えた重臣の郷里が白谷の里で、主君のために討ち死にした重臣を弔うために、安寿と厨子王が白谷にツバキの木を植えたというものだ。ツバキには、そんな伝承が残されている。
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21:52
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彦根 清涼寺の紅梅
2019年03月10日
彦根の清凉寺に見事な八重の紅梅がある。佐和山の西麓に、井伊家ゆかりの寺社が並ぶが、いちばん南にあるのが清凉寺。曹洞宗の名刹で、井伊家代々の菩提寺である。
二代藩主の井伊直孝が、父である直政の墓所として開いた。祥壽山清凉寺という名前は、直政の戒名から名付けられたという。本堂の裏手に歴代7藩主の石塔が並んでいる。
山門を抜けると、正面に本堂があり、右手に客殿、左手に座禅堂が境内を囲むように建っている。井伊家は代々の住職を全国から招いて寺の隆盛を図ったので、江戸時代は2百人以上の雲水がこの寺で修行と参禅に励んだという。
ウメの木は、樹齢700年余といわれるタブの古木とともに座禅堂の前に並んでいる。
清凉寺は希望者の参禅を受け付けている。座禅、法話、作務、精進昼食の4部制だという。観梅を加えた体験は魅力的だ。
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16:26
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マキノ海津天神社のウメ
2019年03月06日
マキノ町の海津天神社に、美しい梅園がある。海津天神社は名前のとおり主祭神に学問の神様、菅原道真を祀る神社で、天神様にウメはおなじみ。
海津天神社のウメは、神庫と呼ばれる赤い屋根の建物の手前に、紅と白の花が咲く。紅白が咲き揃うと、いかにもめでたい雰囲気がある。
4棟の神庫には神輿が入っているようだ。4月29日に催される春の例大祭で、豪華な神輿の渡御がある。力士祭と呼ばれ、色鮮やかな化粧まわしを着けた若者たちが2基の神輿を担ぎ、勢いよく掛け声をかけながら二手に分かれて、海津と西浜の町を練り歩く。
海津天神社の参道を真っ直ぐ東へ進むと、びわ湖に沿った西近江路の北国海道に出る。ここから北が海津、南が西浜である。
ウメは別の名前を春待ち草とも、風待ち草ともいう。ウメの花が咲きだすと、春の祭りが待ち遠しくなる。
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11:34
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長浜 大雲寺の紅梅
2019年03月01日

長浜市田村町の町なかに、大雲寺という古刹がある。重文の薬師如来坐像で知られる多田幸寺は臨済宗妙心寺派で、大雲寺は真宗大谷派であるが、元はともに天台宗の寺だった。田村山の南麓に多田幸寺があり、その南に大雲寺が建つ。
大雲寺の境内にウメの古木がある。例年、彼岸法要の前頃に満開になるが、今年は早いようだ。
田村町の南隣、米原市長沢にある福田寺には、蓮如上人お手植えの松がある。蓮如上人が福田寺に滞在したときに植えられた木だという。大雲寺のウメも、その時に蓮如上人が植えたものだという。
蓮如上人お手植えというウメは、根本から幹が二股に分かれており、空洞になった幹が幾本もの棒で支えられている。苔でおおわれた木は、いつ朽ちても不思議ではないと思われるが、枝いっぱいに鮮やかな紅梅が咲き誇る。
長浜市の保存樹に指定され、推定樹齢は400年とされる。


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17:03
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