長浜市 舎那院のスイレン
2018年06月20日

スイレンは、梅雨の季節、舎那院の小さな放生池のなかで純白の花弁を開きはじめる。太古の時代、多くの植物が水辺から乾いた大地へと上がっていったなかで、スイレンは水のなかで生きる道を選んだ。植物の原初の姿をとどめているのかもしれない。
印象派の画家モネも、スイレンに魅了された一人だ。「光の画家」と呼ばれたモネは、スイレンをさまざまな光のもとで描いた。自宅の庭につくったスイレンの池をモチーフにして、二百点以上の絵を描いたといわれる。
初期の作品には岸に生える柳の木や、池に架かる日本風の橋などが描かれているが、最晩年、画面に描かれているのは水とスイレンだけだ。スイレンのラテン名は「妖精花」。光を絵にしたモネが、この花をモチーフに選んだのもうなずける。
モネの絵には薄紅色の花が多いが、もっとも惹かれるのは純白の花だ。何よりも、お寺の放生池を飾るのにふさわしい。
日本に自生するスイレンの仲間にヒツジグサがある。未の刻、つまり午後二時ごろに花を開き、夕刻に閉じることからその名が付いたというが、実際には朝から花を開いている。
ヒツジグサは花の径が四、五センチほどで、園芸種のスイレンよりも小ぶりだ。しかも、色は白だけである。舎那院のスイレンは、大きさといい、色といいヒツジグサに近いようだ。

Posted by 風まかせ at
00:12
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