伊吹山麓のカキ
2018年10月25日

たわわに実ったカキの木と色づき始めた山並み、そして澄み切った青空。秋を象徴する風景である。橙色に染まったカキは、実りの秋のシンボルでもある。湖北の農村の家々には、屋敷のなかに必ずといっていいほどカキの木が植えられている。畑の隅に植えられていることも多い。
カキにはいろんな種類があるが、大きく分けると渋柿と甘柿の二つ。渋柿には平核無や富士などがあり、甘柿は富有や次郎などが知られる。じつは甘柿は渋柿の突然変異種で、わが国の特産だという。
英語でもカキはKakiと呼ばれる。戦後すぐの頃、カキを湖北の特産品にしようと夢見た人たちがいた。伊吹山の南西麓にある村の人たちである。この一帯は、弥高川がつくったゆるやかな扇状地で、燃料の割木や柴などを供給した雑木林が広がっていた。そこを一斉に開墾し、カキの木を植えた。
平核無は、平たく四角い形をして種がない。食べやすいが渋柿である。渋抜きが必要なのだ。アルコールを使ったり、炭酸ガスを使うなど様々な方法で渋を抜く。
伊吹山を間近に望むなだらかな丘陵地に、カキの木の畑が広がる風景は雄大だ。未来に残したい湖北の風景のひとつである。

Posted by 風まかせ at 23:37│Comments(0)