甲良町在士のフジ

甲良町在士のフジ

 甲良町在士は、犬上川の南に広がる田園地帯の中にある。もとは藤堂といった。城づくりの名人といわれた藤堂高虎の出身地である。
 在士の八幡神社に大きなフジの木があり、ゴールデンウィークの頃に美しい花を咲かせる。紫の小花が房になって、藤棚から無数に垂れ、絹織の布のように、ふわふわと風にゆれる。みごとな咲きっぷりである。
 在士では、5月5日の子どもの日に藤まつりがおこなわれる。近郷近在の人たちが集う、のどかなお祭りだ。フジの花を愛でながら、地元の人から在士の歴史などを聞ければ、またとない体験になりそうだ。
 藤まつりが過ぎると、次の日曜日に藤切りまつりという神事がある。藤の花の枝を切って、東京にある藤堂家の宗家に献花するのが習わしになっているのだという。
 このとき、咲いている花枝はすべて切られる。聞けば、翌年にたくさんの花を咲かせるには、早めに花枝を切るのがいいそうだ。惜しい気もするが、切った花は参拝する人たちに配られる。
 在士の八幡宮は、藤堂家の祖先が産土神として祀ったことに始まる。境内にフジを植えたことから、フジの花が咲き誇る神社になり、「藤の堂」と呼ばれるようになった。これが村の名となり、家祖が藤堂と名のるようになったのだという。
 藤堂高虎は、藤堂家の次男として生まれた。15歳のときに、浅井長政に仕えて姉川の戦いに出陣。ところが、浅井家家臣との争いに巻き込まれて、小谷城を去ってしまう。その後、何人かの主に仕えた後、天正4年、秀吉の弟である羽柴秀長の家臣となり、秀長のもとで信長の安土城の築城に従事する。その時に穴太衆と出会い、石積みを学んだという。
 豊臣から徳川へと時代は移っていくが、高虎は秀吉、家康、秀忠のもとで多くの城の縄張りを手がけた。



Posted by 風まかせ at 18:30│Comments(0)
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